哲人あの日あの時
 
Vol.31 メリーと日曜行修

永 田 勇 治

 昭和五十二年六月五日の日曜行修会に初めて家内が出席すると申しましたので、私は愛犬メリーと共に、黒谷天風閣に車で参りました。私は日曜行修会が何のことやら判らぬままに、メリーをつれて墓地から真如堂と、散歩することに専念しておりました。阿弥陀堂の傍で、天風閣での行事を遠望しながら、行修会の終るのをメリーと共に待ち、五月末に小西様からお誘いを受けて、拝聴させて頂いた松田権六先生の貴重なお話を思い出していました。こんなことが暫く続きまして、夏期修練会になりました。私か初めて修練会に参加させて頂くことになりました動機の一端となったものと思います。

 夏期修練会後は、つとめて日曜行修会に、メリーを連れて参加しておりますが、メリーが皆様に御迷惑をかけるのではないかと危惧しました。体操中は木につないでいますが、駆足ともなると、出番とばかり、よろこび勇みます。駆足中、道草をくうことが多く、一寸困りますが、足を拭いて天風閣に入りますと、。皆様の輪に一人前座を占め、安定打坐中は、伏せておりますが、一人マッサージになると、同じように伸びをして、皆様を笑わせる始末です。今ではもう、日曜日同道出来ることが判ると、噪ぎ廻ってよろこびますが、時には「お留守番」を言いわたすこともあり、その時は悄気かえり、庭の隅で小さくなっています。

 メリーは十年近く前、老母を亡くしました翌春、自宅前で、さも自分の家とばかり座りこんでいました。六ヶ月位の可愛らしく、利口そうな雌犬で首輪もしておりましたので、さぞや飼主が困っていることと思い、家内が警察に届けに行きました。警察では、多分捨て犬だろうから、お宅で面倒みて呉れませんかとのこと、こんな経緯で我家に落着いたのですが、本人はまるで我家で生れた犬とばかり、私達と一緒に居ることが最大のよろこびと思っているようです。時にはきつく仕付けることもありますが、こちらの気持や、考えていることを察することがはやく、おどろかされることもあります。日曜行修のお蔭でしょう。今では、大事な家族の一員です。

 

      

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